特定非営利活動法人「岡山高等学院」
学習環境などに困難を抱える人を対象とした相談事業の仕組み「百色の未来」の開催
活動
特定非営利活動法人「岡山高等学院」
理事長/校長 木村浩輔様
副校長 水野文一郎様
設立の経緯と主な活動内容
2004年より個別指導学習塾と広域通信制高校の卒業サポート支援を行ない、2013年に岡山高等学院を開校。発達障がい者や不登校、高校中退経験者を主な対象とし、広域通信制高校の卒業支援や進路指導を実施、その後より多くの人が利用できる形態を得るために、2017年度4月より特定非営利活動法人「岡山高等学院」として活動することとなる。何らかの理由で不登校になった人や、ひきこもりになった人、発達障がいや軽度の知的障がいのため、なかなか全日制の高校に入学するのが難しい、もしくは卒業するのが難しい子どもたちへの支援が設立の主意。
助成事業活動に込めた思い
〜学習環境などに困難を抱える人を対象とした相談事業の仕組み「百色の未来」の開催〜
最近の国の調査によると子どもの数は年々、減少しているにも関わらず、不登校の中学生の数は、年間12万人で推移、高校では4万8千人、中途退学の生徒は4万7千人とされ、両者を合わせると9万人を超える数字となっている。また、ひきこもり(15〜39歳)と言われる若者は、50万人以上と言われている。こうした背景を鑑み、NPO岡山高等学院では、これまで子ども・若者たちの学習や進路・自立について、様々な相談を受け、その支援を行なってきた。「活動を通じて困難を抱える子ども・若者と真剣に関わり、様々な支援を行なっています。その間、仲間と呼べる方々との出会いもたくさん生まれました。相談に来られる人々の悩みや課題、そして思いや願いは、まさに『十人十色、いや百人百色』です。お互いに寄り添い、近づき、共に考え、次の選択肢を見つけることができれば、前を向いて歩んでいこうとする気持ちがわいてくるのではないか。1人ひとりの「百色の未来」を我々がチームとなって支えたい。そんんな思いを胸に活動を続けています」と理事長・校長の木村浩輔氏は話す。
活動の具体的内容
〜百色の未来(個別相談会・特別相談会)の開催〜
●参加対象
社会生活、学校生活、進路などで次の選択肢を見つけたいと考えている人(35歳くらいまで)、またはその保護者。
例えば…
「何をする気にもならない。生きていても楽しくない」
「周りと上手に馴染めない。自分だけが変わっていると感じる」
「学校の意味を感じない」
「わが子の将来がとても不安。何をしてやれるかも分からない」
「子どもとの関係にちょっと疲れた。上手くいかないことの連続…」
「学校に馴染めないわが子。無理に行かせてもいいのか?悩んでいる」
●特長
※相談スタッフは現役で支援に携わっている人がチームでサポート。
「百色の未来」は、悩みや困りごとを聞くだけではなく、未来を切り拓く選択肢を一緒に考えていく場所。長年、支援に携わっている人・機関が連携・協力してアイデアを提案している。
※何度でも相談可能(無料)。
上手くいっていたのに、上手くいかなくなった…。そんな時には何度でも相談に来ていただき、新たな選択肢を見つけていけるようサポートしている。
※大・小様々な相談会を各地の会場で実施。
2018年度は週1回の「個別相談会」と、講話を取り入れた「特別相談会(6月、9月、12月)」を岡山市、倉敷市、笠岡市、井原市、美作市などで開催。それぞれの分野で支援に携わり、活躍されている専門家の方々と、連携しながら活動を拡充させていった。
活動の効果(現状と今後)
●発達障がい者や不登校、高校中退経験者を含む、進路選択や学習環境に困難を抱える当事者またはその保護者の「社会からの孤立」を防ぐ。
●適切な情報を得ることで義務教育終了後、自分に適した進路を考えることにより、高校進学率の向上、就職率の向上につなげる。
●相談において持続可能な仕組みができ、そのための人材を育成、確保していくことが可能になる。
「百色の未来(相談支援)」と本業である広域通信制高等学校の卒業サポートに加えて、NPO岡山高等学院では将来を見据えた教育活動のひとつとして「働く人づくり」にも力を入れている。これは週1回、1時間のアルバイトから始めて、慣れて自信が付いたら時間や回数を少しずつ増やし、うまくいきそうであれば、両者が合意の上、就職というカタチにまでもっていくもの。ゆっくりきめ細かいサポートを行なった結果、実際に一般就労する生徒も出ている。今後も協力企業を増やしつつ、「百色の未来」同様、行政をはじめとする他機関との連携を図りながら注力していきたいと考えている。
最後に…「困難を抱える若者や生活困窮者に対する支援策は、カタチの上では整えられつつありますが、当事者目線でないのが残念です。これからも一人ひとりに合った支援に向けて、私たちなりのアプローチを考え、実践しながら、彼らが諦めないで進んで行けるよう努力して行きたいと思います」と副校長・水野文一郎氏は今後への思いと展望を語ってくれた。
DATA
設立年月日 2017年4月
代表者名 木村浩輔
連絡先
住所 〒700-0815 岡山県岡山市北区野田屋町二丁目10番5号
電話 086-221-3350
Eメール o.h.gakuin@gmail.com
設立経緯
何らかの理由で不登校や引きこもりになったり、発達障害や軽度の知的障害があって、なかなか全日制の高校への入学・卒業が難しい子どもたちの支援のために設立。